不動院跡(読み)ふどういんあと

日本歴史地名大系 「不動院跡」の解説

不動院跡
ふどういんあと

[現在地名]春日部市小渕

古利根川と中川の中間に位置し、交通の要所。戦国時代から江戸時代にかけて関東を代表する本山派修験の大先達であった。京都聖護しようご院の末寺。役流山と号し、本尊は不動。戦国時代には各地の大名が修験者たちに保護を加え軍事目的に活用しており、関東の修験も小田原北条氏と結び付き、しばしば戦時における敵情偵察などの任務を果していたようである。当時関東本山派修験の中心的な役割を果していたのは当院と小田原玉滝ぎよくろう坊であった。天正五年(一五七七)七月三日の武田家印判状(大聖院文書)によると、当院は武田氏から西上州の年行事職を安堵されている。同八年には北条氏政から聖護院門跡道澄の証文に任せ、東上州の年行事職を安堵されている(正月一九日「北条氏政判物」不動院文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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