普及版 字通 「丕」の読み・字形・画数・意味
丕
5画
[字訓] おおきい・さかん
[説文解字]
[金文]
[その他]
[字形] 象形
不は不(がくふ)の形。花のの部分が垂れている形で、その下に肥点(のち一となる)を加えてしべが結胎をはじめたことを示し、胚胎(はいたい)の胚の初文。ゆえに大の意とする。〔説文〕一上に「大なり」とし、「一に從ひ、不(ふ)聲」とするが、字の全体が象形である。金文に不をそのまま丕の意に用い、「丕顯」を「不顯」としるし、〔詩〕にもそのような表記が残されている。〔詩、大雅、大明〕「不顯其光」を「顯らかならざらんや其の光」と反語形によむのは誤りで、「丕(おほ)いに顯らかなる其の光」とよむ。否もまた古く丕と声義同じく、金文にその形をも用いる。不は結胎して丕、実の形が加わって否、実がはちきれるようになって(はい)、さけて剖(ほう)という。
[訓義]
1. おおきい、さかん、おごそか、よい。
2. はじめ、もと。
3. 不と形近く、古く不を用いたことがある。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕丕 オホイナリ 〔立〕丕 オホキナリ・イマ(ナ)ヤ・オホノ(イ)ナリ
[声系]
〔説文〕に丕声の字として・・など四字を収める。(ひ)は力あるもの、(ひ)は一(ぷ)二米、みな盛大の意をもつ。否は果実の充実した形で、また丕大の意に用いる。不・丕・否は古く通用した。
[語系]
丕phi、不・否piuは声近く、古くは「丕顕」のような用義のときに通用した。弗piutも否定に用い、不・否は否定にも用いる。
[熟語]
丕運▶・丕基▶・丕休▶・丕業▶・丕欽▶・丕訓▶・丕顕▶・丕愆▶・丕功▶・丕構▶・丕址▶・丕祉▶・丕緒▶・丕承▶・丕績▶・丕祚▶・丕図▶・丕丕▶・丕命▶・丕▶・丕釐▶・丕隆▶・丕烈▶
[下接語]
顕丕
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報