中国共産党中央委員会全会(読み)ちゅうごくきょうさんとうちゅうおういいんかいぜんかい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

中国共産党中央委員会全会
ちゅうごくきょうさんとうちゅうおういいんかいぜんかい

中国共産党中央委員会の全体会議。略称中全会。中国共産党の最高決定機関は党大会であるが、5年に1度しか開かれないため、党大会が閉幕している間、党大会で選出された中央委員会の全体会議が党のすべての任務を指導する。1992年に開かれた14回党大会以降、中央委員会は1期ごとに7回の全体会議を開くことが定着した。その場合、たとえば第18回党大会で選出された中央委の第4回全体会議は18期四中全会のように表記されることが多い。日本のメディアのなかで産経新聞と読売新聞は、「18期四中総会」と表記している。

 計7回開かれる中全会のうち党大会閉幕直後に開く一中全会は、新しく選出された中央委員の顔合わせのほか、党執行部人事を決めることがおもな目的である。翌年春に開かれる二中全会では、新体制下での国務院政府)人事を決める。新政権発足の約1年後に開かれる三中全会では、政策方針、とくに経済政策について議論する。三中全会で重大な改革が発表されることが多いため、国内外メディアから注目されることが多い。

 三中全会以降、1年ごとに四中全会、五中全会、六中全会が毎年秋に開かれる。党の規約改正や農村政策、教育問題など、その時の指導部がもっとも重要だと考えるテーマについて議論され、人事の調整が行われる。次期党大会が開幕される直前に開かれる七中全会は、それまでの5年間の総括と次回党大会の準備がテーマになる。

[矢板明夫]

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