大学事典 「中国科学技術大学」の解説
中国科学技術大学[中国]
ちゅうごくかがくぎじゅつだいがく
1958年9月,中国科学院院長(当時)であった郭沫若の提案により北京市に創設された,中国科学院が所管する大学。最先端の基礎科学とハイテク技術を結びつけて創造的科学技術人材の養成をめざす。初代学長は郭沫若が兼任。銭学森,趙忠堯,郭永懐など著名な科学者が教鞭を執った。創設当初は13の系に42専攻が置かれ,学制は5年とされた。文化大革命中の1970年初めに安徽省合肥市に移転。1978年には北京市で大学院組織である「研究生院(中国)」を設立した。1959年に重点大学に選ばれており,1990年代以降「211プロジェクト」及び「985計画」にも選ばれるなど,一貫して中国政府の重点的支援を受けている。2013年時点で14学院,30系が置かれ,学生数は約1万6000人。また1978年以降,才能児教育として十代半ばの学生を受け入れる「少年クラス(中国)」を設置し,1000人を超える卒業生を輩出している。教員は約1600人で,このうち中国科学院・中国工程院の院士を39人擁する。
著者: 南部広孝
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報