鈴木清順(読み)スズキセイジュン

デジタル大辞泉の解説

すずき‐せいじゅん【鈴木清順】

[1923~2017]映画監督・俳優。東京の生まれ。本名、清太郎。「港の乾杯 勝利をわが手に」で監督デビュー。内田百閒(ひゃっけん)原作の幻想的な作品「ツィゴイネルワイゼン」で高い支持を得る。代表作「肉体の門」「けんかえれじい」「殺しの烙印(らくいん)」など。映画・テレビで俳優としても活躍した。

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百科事典マイペディアの解説

鈴木清順【すずきせいじゅん】

映画監督。本名清太郎。東京生れ。1948年弘前高卒業後,鎌倉アカデミアをへて松竹大船撮影所入所。1954年日活に移籍。《港の乾杯・勝利をわが手に》(1956年)でデビュー。《野獣の青春》(1963年)以降,〈清順美学〉と呼ばれた独特の色彩感覚とストーリー展開で注目され,《東京流れ者》(1966年),《けんかえれじい》(1966年),《殺しの烙印》(1967年)などによって一部の熱狂的な支持を得る。しかし〈わけのわからない映画を撮る監督はいらない〉という会社側の理由で解雇。その後10年間制作・発表の機会を失ったが,内田百【けん】の短編《サラサーテの盤》などをもとにした《ツィゴイネルワイゼン》(1980年)で復活し,多くの映画賞を受賞。ほかに泉鏡花原作の《陽炎座》(1981年),《夢二》(1991年)などがある。飄々としたキャラクターを生かして俳優としても活躍している。
→関連項目藤田敏八松田優作

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

鈴木清順 すずき-せいじゅん

1923- 昭和後期-平成時代の映画監督。
大正12年5月24日生まれ。鈴木健二の兄。昭和29年松竹から日活にうつり,31年「港の乾杯・勝利をわが手に」で監督デビュー。「肉体の門」「けんかえれじい」などで華麗な映像美をみせ,人気をえたが,42年「殺しの烙印」のあと解雇され,裁判にまでなる。55年独立プロ作品「ツィゴイネルワイゼン」がヒット。平成17年「オペレッタ狸御殿」を公開。東京出身。旧制弘前高卒。本名は清太郎。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鈴木清順
すずきせいじゅん
(1923―2017)

映画監督。東京生まれ。本名清太郎。学徒出陣を経て弘前(ひろさき)高等学校卒業。松竹大船から日活へ移籍して、1956年(昭和31)に初監督、『暗黒街の美女』(1958)より清順と改名した。美術監督の木村威夫(たけお)の協力で、『野獣の青春』『春婦伝』『河内(かわち)カルメン』『けんかえれじい』など、大胆な省略と斬新(ざんしん)な表現によるひねった様式で1960年代のファンを魅了したが、1968年に突然日活を解雇され裁判に発展した。以後不遇であったが、1980年公開の『ツィゴイネルワイゼン』が絶賛され、変わったB級アクション監督というそれまでの評価が訂正された。以後『陽炎座(かげろうざ)』(1981)、『カポネ大いに泣く』(1985)、『夢二』(1991)がある。また、俳優としてテレビ出演などもしていた。[出口丈人]

資料 監督作品一覧

港の乾杯 勝利をわが手に(1956)
帆綱は唄う 海の純情(1956)
悪魔の街(1956)
浮草の宿(1957)
8時間の恐怖(1957)
裸女と拳銃(1957)
暗黒街の美女(1958)
踏みはずした春(1958)
青い乳房(1958)
影なき声(1958)
らぶれたあ(1959)
暗黒の旅券(1959)
素っ裸の年令(1959)
13号待避線より その護送車を狙え(1960)
けものの眠り(1960)
密航0ライン(1960)
すべてが狂ってる(1960)
くたばれ愚連隊(1960)
東京騎士隊(1961)
無鉄砲大将(1961)
散弾銃の男(1961)
峠を渡る若い風(1961)
海峡、血に染めて(1961)
百万弗(ドル)を叩き出せ(1961)
ハイティーンやくざ(1962)
俺に賭けた奴ら(1962)
探偵事務所23 くたばれ悪党ども(1963)
野獣の青春(1963)
悪太郎(1963)
関東無宿(1963)
花と怒濤(どとう)(1964)
肉体の門(1964)
俺たちの血が許さない(1964)
春婦伝(1965)
悪太郎伝 悪い星の下でも(1965)
刺青(いれずみ)一代(1965)
河内カルメン(1966)
東京流れ者(1966)
けんかえれじい(1966)
殺しの烙印(らくいん)(1967)
木乃伊(ミイラ)の恋(1970)
悲愁物語(1977)
ツィゴイネルワイゼン(1980)
陽炎座(1981)
春桜(1983)
カポネ大いに泣く(1985)
ルパン三世 バビロンの黄金伝説(1985)
夢二(1991)
弘高(ひろこう)青春物語(1992)
結婚~第一話「陣内・原田両家篇」(1993)
ピストルオペラ(2001)
オペレッタ 狸御殿(たぬきごてん)(2004)

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世界大百科事典内の鈴木清順の言及

【けんかえれじい】より

…現代日本の映画作家として特異な位置を占める鈴木清順(1923‐ )の代表作の一つで,1966年の日活映画。鈴木隆の同名小説を原作に新藤兼人が脚本を書いた。…

※「鈴木清順」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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