…舞台中央の床を大きく円形に切って,その上に飾った装置をおいたまま回転させる。《歌舞妓事始》によると,正徳・享保期(1711‐36)に江戸で活躍した狂言作者中村伝七は,いろいろの珍しい大道具を考案して,見物をおどろかせたが,その中に〈ぶん回し〉というのがあった。これは舞台の上にもう一つ四角い台をのせ二重舞台を作り,その下に車をつけ,回すときは道具方が3,4人出て,棍棒で押しやって回した。…
※「中村伝七」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」