中条保(読み)ちゆうじようほ

日本歴史地名大系 「中条保」の解説

中条保
ちゆうじようほ

現熊谷市北東部の上中条から行田市下中条にかけての一帯に比定され、利根川右岸に位置する。横山党中条氏の本領で、上中条の常光じようこう院の境内が中条氏館跡と伝えられる。「吾妻鏡」寿永三年(一一八四)二月五日条によると、摂津国に至った源範頼軍勢に中条藤次家長が従軍しており、のち家長は鎌倉幕府評定衆となっている(同書貞永元年七月一〇日条など)。建長四年(一二五二)七月五日の中条時家寄進状案(長楽寺文書)によれば、「武蔵国中条保内水越郷古政所南深町」の水田一町が上野国世良田長楽せらだちようらく(現群馬県尾島町)に寄進されているが、種子農料は中条氏の沙汰とされている。中条保内の水越みずこし郷は上中条の字水越付近に比定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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