中石器文化(読み)ちゅうせっきぶんか

山川 日本史小辞典 改訂新版 「中石器文化」の解説

中石器文化
ちゅうせっきぶんか

ヨーロッパ旧石器文化と新石器文化をつなぐものとして設定された文化。地質学的には完新世に属し,台形半月形・三角形をした幾何学型細石器が多く用いられた。北ヨーロッパのマグレモージアン文化では,磨製石斧が使用され,弓矢が発達し,丸木舟も造られた。犬の飼育も始まった。フランスのアジリアン文化では彩礫(さいれき)が特徴的である。スカンジナビアエルテベーレ文化では貝塚が形成され,土器の使用が始まった。ヨーロッパ以外の地域では中石器文化の用語はあまり使用されないが,縄文文化の初期は中石器文化と共通する要素がある。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の中石器文化の言及

【中石器時代】より

…このような事実から野生の穀物の利用に大きな比重をかけた生活を営んでいたことが理解される。レバント地方以外のナトゥフ文化に類似した石器文化,あるいはイラン・イラクのカリム・シャヒル文化でも,西アジアの中石器文化は,野生穀物および動物の利用という食料生産段階直前の様相を示している。 アフリカにおける中石器文化は,地域によって大きな差があるが,共通して石器群の細石器化が著しい。…

※「中石器文化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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