山川 日本史小辞典 改訂新版 「中石器文化」の解説
中石器文化
ちゅうせっきぶんか
ヨーロッパの旧石器文化と新石器文化をつなぐものとして設定された文化。地質学的には完新世に属し,台形や半月形・三角形をした幾何学型細石器が多く用いられた。北ヨーロッパのマグレモージアン文化では,磨製石斧が使用され,弓矢が発達し,丸木舟も造られた。犬の飼育も始まった。フランスのアジリアン文化では彩礫(さいれき)が特徴的である。スカンジナビアのエルテベーレ文化では貝塚が形成され,土器の使用が始まった。ヨーロッパ以外の地域では中石器文化の用語はあまり使用されないが,縄文文化の初期は中石器文化と共通する要素がある。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報