完新世(読み)かんしんせい(英語表記)Holocene Epoch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

完新世
かんしんせい
Holocene Epoch

地質時代の年代区分の一つで,約 1万1700年前から現在までの沖積世 Alluvium Epoch,現世 Recent Epochともいう。更新世の最終氷期以後(→後氷期)をさすので,氷期より気候は温暖となり,大陸氷河(→氷床)が溶けることによって海水準が 5m内外上昇したとみられる。人類文化史では新石器時代が完新世に始まる。

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デジタル大辞泉の解説

かんしん‐せい〔クワンシン‐〕【完新世】

地質時代の区分の一で、最も新しい時代。更新世の最後の氷期が終わり、温暖化が始まった1万年前から現在まで。人類が大発展し、ほぼ新石器時代以降にあたる。沖積世(ちゅうせきせい)。現世。

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百科事典マイペディアの解説

完新世【かんしんせい】

現世とも。第四紀の最後の地質時代名。更新世の氷河が溶け去った後(1万年前以後)の時代で,現在に至る。現在の川,湖,海,砂漠などにおいて形成された堆積物で代表される時代。気候的条件はほぼ現在と同様。人類の文化段階では,新石器時代以後に相当。かつては沖積世ともよばれた。
→関連項目第四紀

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大辞林 第三版の解説

かんしんせい【完新世】

地質時代の最も新しい世せい。新生代第四紀更新世に次ぐ。最後の氷期が終わった約 1 万 1700 年前から現在までの期間。人類が大発展を遂げた。沖積世。後氷期。現世。 〔従来、完新世の始まりは 1 万年前からとされていたが、2008 年 5 月に国際地質科学連合(IUGS)により、新しい定義が批准された〕 → 第四紀更新世

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

完新世
かんしんせい
Holocene

地質時代の区分の一つ。新生代第四紀の更新世から続く時代で、もっとも新しい世(せい)。約1万1700年前から現在までの期間。現世ともいう。この時代に形成された地層は完新統とよばれている。完新世はかつては沖積世といった。沖積層および対応する洪積層という語は、古く北ドイツなどで、丘陵などの上に残した氷河堆積(たいせき)物を洪積層、それを侵食した谷を埋める積物を沖積層とよんだことに由来する。しかし沖積層はその下半部が時代的には更新世であることが明らかになって、この名称は時代区分の名称としては国際的に使用されなくなっている。更新世末期には寒冷期と温暖期を繰り返しながら温暖化するが、最後の急激な寒冷事件(ヤンガー・ドリアス寒冷期)が終り、長期的、大規模な温暖化が始まったときを完新世の始まりとする。完新世は急速な温暖化と海面上昇を特徴とする時代である。人類はこの時代の始めごろから農耕を覚え、温暖な気候のもと人口が急増し、文明が発達した。
 日本付近の海面高度は完新世の始めには現在より100メートル程低い位置にあったが、著しい温暖化とともに急速に上昇し、7000年前ごろには現在のレベルを超えてプラス3メートルまで上昇した。この現在より温暖な時期を気候最温暖期あるいはヒプシサーマルとよんでいる。その後海面はやや低下して現在の位置に至った。海面が上昇して、それまで陸上の河川であった低地に海水が侵入し、河川の堆積物の上に海の地層が堆積した。完新世のこの海進は、これらの地層とその相互関係が最初に記載された東京の地名をとって「有楽町海進」と命名されている。この海進により関東平野の低地に海が侵入し、かつての河川沿いに奥深い入江が形成された。この入江の沿岸には縄文早期から前期の貝塚が各所に形成されていて、このためこの海進は「縄文海進」ともよばれている。気候最温暖期には現在は九州西部に主要な分布の限界があるハイガイなどの亜熱帯の貝類が東北地方南部部にまで進出していた。房総半島の先端付近には小規模ながらサンゴ礁も形成された。[鎮西清高]

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世界大百科事典内の完新世の言及

【第四紀】より

…新生代の第三紀の後につづく紀で,地質時代の最後の紀である。第四紀はさらに氷河時代の更新世(洪積世)と後氷期の完新世(沖積世)に区分され,全体が約200万年前から現在までを含む時代である。なお,慣用的に〈だいよんき〉と読まれるが,正しくは〈だいしき〉と読む。…

【沖積世】より

…地質時代区分の一つ。完新世Holocene,あるいは現世Recentと同義である。第四紀を2分した後期の時代で,約1万年前から現在までを含んでいる。…

※「完新世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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