中通山城跡
なかとおやまじようあと
[現在地名]琴南町中通
中通本村の通称大天主とよばれている標高三七五メートルの山上と、それに続く小天主とよばれている小山にある戦国期の山城跡。大天主の頂上は東谷・下地谷・裏谷の急崖の谷に囲まれ、一二・四メートル×九・六メートルの隅丸方形状の平坦地をなし、一段下った南側にも二段の削平地がある。小天主の頂上も二二・二メートル×七・八メートルの平坦地であって、造作は小規模であるが、自然の要害地形を生かした堅固な構えである。小天主の北麓に屋敷、北西麓に西屋敷・門口の地名が残り、居館跡と思われる。城跡北の土器川沿いに、東木戸・西木戸・下木戸の集落がある。南は大川越・真鈴越によって阿波の要衝白地(現徳島県三好郡池田町)や重清(現同県美馬郡美馬町)に通じる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 