中野‐西島‐ゲル=マンの法則【Nakano-Nishijima-Gell Mann's rule】
西島‐ゲル=マンの規則*ともいう.素粒子物理学で‘奇妙さ’という量子数をもつ粒子の発生と崩壊を記述する規則である.1953年に中野董夫,西島和彦とゲル=マン(M. Gell-Mann)が理論的研究から導いたものである.以下の3か条からなる.
(1) 各ハドロンに,アイソスピンと‘奇妙さ’の量子数を与える.
(2) ハドロンの電荷を eQ,超電荷を Y,アイソスピンの第3成分を I3 としたとき,Q=I3+Y/2を満足する.ここでバリオン数を B,‘奇妙さ’を S とおくと,Y=B+S である.
(3) 強い相互作用と電磁相互作用による素粒子の反応においては,I3,Y,B,S は別々に保存される.弱い相互作用の場合には I3,S は保存されない.
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の中野‐西島‐ゲル=マンの法則の言及
【素粒子】より
…二つのV粒子が同時に見られる確率はそれらが独立ならば極端に小さいはずだから,ひんぱんに起こるということは,一つの反応でそれらが同時につくられたとみるべきである。これらを説明するために,53年,西島和彦と中野董夫,M.ゲル・マンはそれぞれ独立に,すべてのハドロンは電荷とバリオン数のほかに新しい量子数としてストレンジネス(奇妙さ)strangeness(ゲル・マンの命名)をもち,このストレンジネスの和が強い相互作用や電磁相互作用では保存されるという考え(中野=西島=ゲル・マンの法則)を提唱した。ここでストレンジネスSは,粒子の電荷をQ,アイソスピンの第3成分をI3,バリオン数をB,電気素量をeとして,Q=e(I3+B/2+S/2)で定義される。…
※「中野‐西島‐ゲル=マンの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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