丸木町(読み)まるきまち

日本歴史地名大系 「丸木町」の解説

丸木町
まるきまち

[現在地名]福江市福江町 丸木町

福江城の北、福江川河口部の北岸にある。もと丸木と称し、また漁師りようし町ともいう。文永一〇年(一二七三)銘の板碑がある。元亀二年(一五七一)筑前浦志うらし(現福岡県前原市)から魚目うおのめ(現新魚目町)沖に出漁して同所の丸尾に居付いていた海民が下五島漁場を開発するため、大値賀おおちか島の深江ふかえ(福江)の丸木に移住したと伝える(五島近古年代記)。寛文元年(一六六一)の富江領割方目録(五島編年史)に「福江町人丸木町水主役取」とみえ、福江藩領の水主六六四人のうちに当町の水主も含まれた。同八年の御掟書(同書)に「町奉行五節句之肴請ル事無用、但丸木町ヨリ之肴也」とあり、丸木町から町奉行に進物を贈る慣例があったらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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