丸芳露(読み)まるぼうろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「丸芳露」の意味・わかりやすい解説

丸芳露
まるぼうろ

佐賀市の名物菓子。丸いどら焼き形のカステラ風で南蛮菓子一種寛文(かんぶん)年間(1661~1673)に鍋島(なべしま)藩御用菓子司だった佐賀伊勢屋(いせや)町の横尾市郎右衛門(いちろうえもん)が、長崎でオランダ人から製法を習ったといわれる。この菓子は小麦粉琉球(りゅうきゅう)黒糖をあわせて練り、焼いただけの粗末なもので、「佐賀もンも堅いが丸芳露も堅い」と評されるくらいだったが、明治以降に、小麦粉、砂糖鶏卵蜂蜜(はちみつ)、膨らし粉を用いて、ふっくら、さっくりとした甘みの淡泊な菓子につくりあげられた。

[沢 史生


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android