主権免除(読み)シュケンメンジョ(その他表記)sovereign immunity

デジタル大辞泉 「主権免除」の意味・読み・例文・類語

しゅけん‐めんじょ〔‐メンヂヨ〕【主権免除】

国家行為財産は、外国裁判所被告として裁かれることはない、という国際法上の原則国家免除裁判権免除
[補説]国家の行為・財産のすべてを免除する「絶対免除主義」と、国家の私法的・商業的な行為については免除を認めない「制限免除主義」の考え方がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「主権免除」の意味・わかりやすい解説

主権免除
しゅけんめんじょ
sovereign immunity

裁判権免除 (jurisdictional immunity) ,あるいは国家免除 (state immunity) ともいう。主権国家およびその機関が,その行為あるいは財産をめぐる争訟について,外国の裁判所の管轄に服することを免除されること。主権免除の適用範囲に関して,かつては「絶対免除主義」が有力で,およそ国家の行為またその財産については,すべて裁判権免除が認められるとされた。これに対して今日では「制限免除主義」が有力になり,国家実行においても支持されて一般国際法の原則として確立した。それによると国家の活動をその機能により主権的行為と私法的・商業的な性格をもつ業務管理的行為に分け前者についてのみ裁判権免除が認められるとされる。ただし制限免除主義については,主権的行為と業務管理的行為とを分ける基準が明確でないという問題がある。 1972年のヨーロッパ国家免除条約は,主権免除に関する最初の多数国間条約であるが,ここでは免除が認められない場合を列挙し,それ以外はすべて免除するという方式が採用された。

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