久々子村(読み)くぐしむら

日本歴史地名大系 「久々子村」の解説

久々子村
くぐしむら

[現在地名]美浜町久々子

松原まつばら村の西に立地。北は若狭湾に面する。中世耳西みみにし郷。永享八年(一四三六)六月二〇日付の天龍寺息心周銘在判下知状(上野山文書)に「天龍寺領若狭国耳西郷早瀬浦国清名内伊切山小嶋同磯海之事」として、「右、伊切山之小嶋同磯海、任往古之例、国清名知行之百姓、可令進退事、永代不可有相違也、久々子村百姓号開発、雖立押鮨網、早瀬之百姓、磯海者就陸地、令進退段、浦々大法之由、歎申之、伊切山為国清名内間、彼小嶋磯海、被付沙汰国清之名主処也」とあり、早瀬はやせ浦と伊切いぎり山海域について争論があり敗訴した。また文安三年(一四四六)の久々子村十郎右衛門・孫太夫契状写(早瀬区有文書)によれば早瀬浦の網を久々子村の者が盗んだが詫びを入れて内密に収めている。弘治二年(一五五六)六月の明通寺鐘鋳勧進算用状(林屋辰三郎氏蔵)に「百五十文 くゝし村」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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