久米豊(読み)くめゆたか

知恵蔵mini 「久米豊」の解説

久米豊

日本の実業家。1921年、東京都生まれ。44年、東京帝国大学第二工学部を卒業し、46年に日産自動車株式会社に入社。工場長などを歴任し、73年、同社代表取締役に就任。85年に取締役社長に就任すると、相次いで新型車を発売した。特に、88年発売の高級セダン車「シーマ」は年に3万6000台を売り上げて「シーマ現象」と呼ばれ、同年の第5回新語・流行語大賞銅賞を受賞した。また、欧州・北米に統括販売会社を設立するなどグローバル経営を進めた。90年には、日米自動車摩擦が激化する中、日本自動車工業会会長に就任し、対米輸出の自主規制基準をまとめるなど摩擦解消に尽力した。92年に日産自動車会長となり、旧日経連、経団連ではそれぞれ副会長を歴任した。96年、同社会長を退任し相談役に就任。2014年9月10日、胃がんにより死去。享年93。

(2014-9-19)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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