九鈷杵(読み)くこしょ

精選版 日本国語大辞典 「九鈷杵」の意味・読み・例文・類語

くこ‐しょ【九鈷杵】

  1. 〘 名詞 〙 仏語密教で用いる仏具一つ金剛杵の一つ。杵の先が九つあるもの。微妙大曼荼羅経が典拠高野山御影堂(みえどう)にある恵果和尚相承という銅製のものや、醍醐寺所蔵の金銅製九鈷杵は有名。九股、九股杵とも。
    1. 九鈷杵〈福島県真浄院〉
      九鈷杵〈福島県真浄院〉
    2. [初出の実例]「如九鈷杵而内中祈雨之時道場衆中省賢闍梨修千手供養法」(出典参天台五台山記(1072‐73)七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の九鈷杵の言及

【密教法具】より

…密教では,杵(きね)の形をした中央の握り両端に鈷の突起をつくりその鋭さによって煩悩を打ち破り,菩提心(仏性)をあらわすための法具である。両端の鈷数や形によって独鈷杵,三鈷杵,五鈷杵,九鈷杵,宝珠杵,塔杵,九頭竜(くずりゆう)杵などがある。独・三・五鈷杵は古いが,宝珠・塔杵は新しく,九鈷杵,九頭竜杵はチベットの杵の影響を受け,宋,元代に多い。…

※「九鈷杵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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