参天台五台山記(読み)サンテンダイゴダイサンキ

デジタル大辞泉 「参天台五台山記」の意味・読み・例文・類語

さんてんだいごだいさんき【参天台五台山記】

平安後期の旅行記。8巻。成尋じょうじん著。延久4年(1072)に日本を出発し、中国天台山五台山などの寺を参拝、宋の神宗に謁見したことなどを記したもの。当時の中国仏教実情を知るための重要資料

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精選版 日本国語大辞典 「参天台五台山記」の意味・読み・例文・類語

さんてんだいごだいさんき【参天台五台山記】

  1. 平安後期の紀行八巻成尋著。延久四~五年(一〇七二‐七三)成立。作者入宋して天台山、五台山などを巡歴したことと、その前後経験見聞を記す。当時の中国仏教の実情や地理風俗などを伝える資料として重要。

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改訂新版 世界大百科事典 「参天台五台山記」の意味・わかりやすい解説

参天台五台山記 (さんてんだいごだいさんき)

天台宗の僧成尋(じようじん)の入宋日記。8巻。成尋は1072年(延久4)3月,頼縁ら5人と中国へ渡った。6月天台山の諸寺を巡拝,次いで都汴京(べんけい)の太平興国寺伝法院に滞在し,11月五台山の諸寺を巡拝,再び伝法院に戻って僧侶官吏と交流をもち,皇帝の知遇を得,宮中で祈雨の法を修して効験があった。73年6月,成尋を除く5人が先に帰国の途に就くまでの滞在中の公私にわたる事がらが克明に記され,宋代の社会や仏教の実態を知るうえで貴重である。成尋はついに帰国しなかったが,京にあって,わが子を案じていた老母心中は,歌集成尋阿闍梨母集》によって知られている。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「参天台五台山記」の解説

参天台五台山記
さんてんだいごだいさんき

1072年(延久4)に入宋した京都大雲寺の僧成尋(じょうじん)の日記。3月15日肥前国松浦郡壁島を発ったのち,天台山・開封・五台山などを巡礼し,翌年6月12日開宝勅版一切経などの経典,仏像,宋の神宗(しんそう)の文書を弟子に託し日本へ送るまでを記す。成尋は宋に残り,1081年開封開宝寺で没した。宋代の政治・経済・社会・文化の詳細な観察を含み,とくに水陸交通,各地の物価に関する記録や収録されている公私文書類は貴重。「奝然(ちょうねん)日記」「入唐求法巡礼行記」「往生要集」など日本僧の著作を献上したり,宋では失われた経典を宋僧に貸与するなど日本文化の紹介に努めたことも注目される。「改定史籍集覧」「大日本仏教全書」所収。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「参天台五台山記」の意味・わかりやすい解説

参天台五台山記
さんてんだいごだいさんき

平安時代の僧,成尋の入宋に関する旅行記。8巻。延久4 (1072) 年に 62歳で入宋し,翌年まで巡礼した。当時の海路交通や宋の仏教事情などが書かれている。

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