歌舞伎(かぶき)劇。世話物。二幕。大阪では「ちちもらい」と読む。絵師狩野四郎次郎(かのうしろじろう)は遊蕩(ゆうとう)で身を持ち崩し、貧に迫って金をつけた乳飲み子を貰い子し、ある家の軒下で二階から乳をかけられ、捨てる乳を貰ったのが縁で許嫁(いいなずけ)の小雪と再会、その乳飲み子こそ自分と小雪の間に生まれた子と知る。四郎次郎が暗闇(くらやみ)の真葛(まくず)が原で許嫁とも知らず通りすがりの小雪を犯す官能的な場面と、乳貰いの滑稽(こっけい)味で知られる和事(わごと)風の上方(かみがた)喜劇の代表作。近年は多く『積情雪乳貰(つもるなさけゆきのちもらい)』の名題で上演されるが、原名は『花雪恋手鑑(はなとゆきこいのてかがみ)』で、3世中村歌右衛門(うたえもん)が金沢竜玉(りゅうぎょく)の筆名により企画者西沢一鳳(いっぽう)と合作で1833年(天保4)1月大坂角(かど)の芝居の『けいせい稚児淵(ちごがふち)』のなかに取り入れて演じたのが初演。
[松井俊諭]
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...