乳貰い(読み)チモライ

デジタル大辞泉 「乳貰い」の意味・読み・例文・類語

ち‐もらい〔‐もらひ〕【乳×貰い】

ちちもらい」に同じ。

ちち‐もらい〔‐もらひ〕【乳×貰い】

母乳が足りないため、乳児のために、他人の乳をもらうこと。ちもらい。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「乳貰い」の意味・わかりやすい解説

乳貰い
ちもらい

歌舞伎(かぶき)劇。世話物。二幕。大阪では「ちちもらい」と読む。絵師狩野四郎次郎(かのうしろじろう)は遊蕩(ゆうとう)で身を持ち崩し、貧に迫って金をつけた乳飲み子を貰い子し、ある家の軒下で二階から乳をかけられ、捨てる乳を貰ったのが縁で許嫁(いいなずけ)の小雪と再会、その乳飲み子こそ自分と小雪の間に生まれた子と知る。四郎次郎が暗闇(くらやみ)の真葛(まくず)が原で許嫁とも知らず通りすがりの小雪を犯す官能的な場面と、乳貰いの滑稽(こっけい)味で知られる和事(わごと)風の上方(かみがた)喜劇の代表作。近年は多く『積情雪乳貰(つもるなさけゆきのちもらい)』の名題で上演されるが、原名は『花雪恋手鑑(はなとゆきこいのてかがみ)』で、3世中村歌右衛門(うたえもん)が金沢竜玉(りゅうぎょく)の筆名により企画者西沢一鳳(いっぽう)と合作で1833年(天保4)1月大坂角(かど)の芝居の『けいせい稚児淵(ちごがふち)』のなかに取り入れて演じたのが初演

[松井俊諭]

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