朝日日本歴史人物事典 「了庵慧明」の解説
了庵慧明
生年:建武4/延元2(1337)
南北朝・室町時代の曹洞宗の僧。日本曹洞宗最大の門流,了庵派の派祖。相模大住郡糟谷荘(神奈川県伊勢原市)の人。俗姓は藤原氏。初め臨済宗に学び,諸国行脚ののち,丹波(兵庫県)永沢寺の通幻寂霊の弟子となり,曹洞宗に改宗。通幻のあとを嗣いで総持寺,永沢寺などの住職となり,応永1(1394)年,箱根明神岳の東麓に最乗寺(山号は大雄山)を開く。了庵の弟子の道了が天狗に化身してこの寺を護っているといわれ,禅の修行道場であると同時に,天狗信仰の祈祷寺院として今日にまで至っている。<著作>『峨山和尚行実』『天童小参抄点破』<参考文献>最乗寺編『大雄山誌』,松田文雄『大雄山と御開山さま』
(熊本英人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報