最乗寺(読み)サイジョウジ

デジタル大辞泉 「最乗寺」の意味・読み・例文・類語

さいじょう‐じ【最乗寺】

神奈川県南足柄市大雄町にある曹洞宗の寺。山号は大雄山。開創は応永元年(1394)、開山了庵慧明伽藍建立を助けた弟子の道了薩埵が、天狗に化身したとの伝説から、道了尊として多くの人々の信仰を集めている。

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精選版 日本国語大辞典 「最乗寺」の意味・読み・例文・類語

さいじょう‐じ【最乗寺】

  1. 神奈川県南足柄市にある曹洞宗の寺。山号は大雄山。応永元年(一三九四)了庵慧明(えみょう)の開創。永祿三年(一五六〇北条氏康堂宇造営道了権現。道了薩埵(さった)

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日本歴史地名大系 「最乗寺」の解説

最乗寺
さいじようじ

[現在地名]南足柄市大雄町

箱根外輪山明神みようじんヶ岳の北東中腹、標高四〇〇メートル辺りにある。曹洞宗、もと大本山総持そうじ寺の直末、山号は大雄山。中世以降東日本に展開した曹洞宗了庵派の法源地。本尊は華厳釈迦と十六羅漢。開山は了庵慧明、応永元年(一三九四)創建と伝える。境内は古くから樹木が繁茂していることで著名であり、文明一七年(一四八五)万里集九の「梅花無尽蔵」にも「最乗古刹樹参天」の句がある。これは了庵の意を受継いだもので、五世舂屋宗能が宝徳三年(一四五一)に定めた伐木掟(最乗寺文書)にも「山中草木、総而猥不可切事、於本木截者、可截頸事」とある。

了庵から八世吾宝宗までは独住制であったが、九世在仲宗宥から明治七年(一八七四)まで輪住制となり、文明一〇年派下総世そうせい(現小田原市)安叟宗楞の在仲宛書状案(県史三)によると、安叟は「不問戒臘高下、不謂老若尊卑、不択器用不器用」として、派下の弟子が最乗寺へ順番に出世焼香すべきだと述べている。輪住制は、同一四年八月二日には派下保善ほぜん(現静岡県熱海市)へ「大雄山最乗禅寺住持職之事、来歳相当御門派之御輪番候、然者、任先例、可有御入寺者也」という請状(「正通書状写」同書)が出されていることからみて、すでにこの年以前から実施されていたと考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「最乗寺」の意味・わかりやすい解説

最乗寺
さいじょうじ

神奈川県南足柄(みなみあしがら)市大雄(だいゆう)町にある曹洞(そうとう)宗の寺。大雄山(だいゆうさん)と号し、道了権現(どうりょうごんげん)、道了尊(そん)、または小田原道了薩埵(さった)ともいわれる。大山(おおやま)不動、川崎大師とともに神奈川県の三大名刹(めいさつ)の一つ。本尊は釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)。1394年(応永1)了庵慧明(りょうあんえみょう)が弟子の道了薩埵の助力を得て創建。道了薩埵は神通(じんずう)力をもっていたといわれ、師の命によって井戸を掘るうちに鉄印を掘り当て、そこから清泉が湧(わ)き出したと伝えられる。この鉄印は御金印(おかないん)といい、この寺第一の霊宝とされる。最乗寺了庵派16派は関東の曹洞宗のなかで一大勢力をなし、江戸時代末まで栄えた。道了薩埵は道了大権現として崇(あが)められ、師の死後、仏法を守護すべしとして天狗(てんぐ)となったという伝説から、大烏天狗(おおからすてんぐ)信仰を生じ、寺には九葉の羽団扇(はねうちわ)や天狗が履く鉄製の大下駄(げた)が祀(まつ)られている。民間信仰者も多く、東京、神奈川を中心に多数の道了講が結成されている。宗門の若い禅僧が修行する専門道場としても名高い。

[菅沼 晃]

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改訂新版 世界大百科事典 「最乗寺」の意味・わかりやすい解説

最乗寺 (さいじょうじ)

神奈川県南足柄市にある曹洞宗の寺。山号は大雄山(だいゆうざん)。了菴慧明(りようあんえみよう)が1394年(応永1)に創建したと伝える。その際,弟子の道了が助力し,のちに天狗となって守護神となったという。当初は独住制であったが,1456年(康正2)から1874年(明治7)までは住持が1年ごとに交替する輪住制(りんじゆうせい)が採られ,関東曹洞宗発展の中心寺院であった。道了薩埵(さつた)は現在も広い信仰を集め,1,5,9月の27,28日には大祭が催される。境内は古くから樹木が繁茂していることで著名である。
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百科事典マイペディア 「最乗寺」の意味・わかりやすい解説

最乗寺【さいじょうじ】

神奈川県南足柄市大雄町にある曹洞宗の寺。山号は大雄山。道了権現と通称。1394年了庵慧明の開基。北条氏康が堂塔を寄進した後も,豊臣・徳川両氏の外護を受けた。了庵の弟子道了薩【た】(さった)は天狗(てんぐ)と化して一山を守護すると誓い,その像を安置する御真殿があり,民間に信仰される。
→関連項目南足柄[市]

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事典・日本の観光資源 「最乗寺」の解説

最乗寺

(神奈川県南足柄市)
かながわの花の名所100選指定の観光名所。

最乗寺

(神奈川県南足柄市)
曹洞宗三大祈祷所」指定の観光名所。

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デジタル大辞泉プラス 「最乗寺」の解説

最乗寺

神奈川県南足柄市にある寺院。曹洞宗。山号は大雄山。1394年、了菴慧明の開創と伝わる。本尊は釈迦牟尼仏。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「最乗寺」の意味・わかりやすい解説

最乗寺
さいじょうじ

道了権現」のページをご覧ください。

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