最乗寺(読み)さいじょうじ

百科事典マイペディアの解説

最乗寺【さいじょうじ】

神奈川県南足柄市大雄町にある曹洞宗の寺。山号は大雄山。道了権現と通称。1394年了庵慧明の開基。北条氏康が堂塔を寄進した後も,豊臣・徳川両氏の外護を受けた。了庵の弟子道了薩【た】(さった)は天狗(てんぐ)と化して一山を守護すると誓い,その像を安置する御真殿があり,民間に信仰される。
→関連項目南足柄[市]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

さいじょうじ【最乗寺】

神奈川県南足柄市にある曹洞宗の寺。山号は大雄山(だいゆうざん)。了菴慧明(りようあんえみよう)が1394年(応永1)に創建したと伝える。その際,弟子の道了が助力し,のちに天狗となって守護神となったという。当初は独住制であったが,1456年(康正2)から1874年(明治7)までは住持が1年ごとに交替する輪住制(りんじゆうせい)が採られ,関東曹洞宗発展の中心寺院であった。道了薩埵(さつた)は現在も広い信仰を集め,1,5,9月の27,28日には,大祭が催される。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

さいじょうじ【最乗寺】

神奈川県南足柄市にある曹洞宗の寺。山号は大雄山。1394年了庵慧明りようあんえみようが創建。天狗信仰で知られる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

最乗寺
さいじょうじ

神奈川県南足柄(みなみあしがら)市大雄(だいゆう)町にある曹洞(そうとう)宗の寺。大雄山(だいゆうさん)と号し、道了権現(どうりょうごんげん)、道了尊(そん)、または小田原道了薩(さった)ともいわれる。大山(おおやま)不動、川崎大師とともに神奈川県の三大名刹(めいさつ)の一つ。本尊は釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)。1394年(応永1)了庵慧明(りょうあんえみょう)が弟子の道了薩の助力を得て創建。道了薩は神通(じんずう)力をもっていたといわれ、師の命によって井戸を掘るうちに鉄印を掘り当て、そこから清泉が湧(わ)き出したと伝えられる。この鉄印は御金印(おかないん)といい、この寺第一の霊宝とされる。最乗寺了庵派16派は関東の曹洞宗のなかで一大勢力をなし、江戸時代末まで栄えた。道了薩は道了大権現として崇(あが)められ、師の死後、仏法を守護すべしとして天狗(てんぐ)となったという伝説から、大烏天狗(おおからすてんぐ)信仰を生じ、寺には九葉の羽団扇(はねうちわ)や天狗が履く鉄製の大下駄(げた)が祀(まつ)られている。民間信仰者も多く、東京、神奈川を中心に多数の道了講が結成されている。宗門の若い禅僧が修行する専門道場としても名高い。[菅沼 晃]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

フェロー

イギリスではこの呼称は主として次の3つの場合をさす。 (1) 大学の特別研究員 研究費を与えられ,多くは教授,講師を兼ねる。 (2) 大学の評議員 卒業生から選ばれる。 (3) 学術団体の特別会員 普...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android