事と(読み)コトト

デジタル大辞泉 「事と」の意味・読み・例文・類語

こと‐と【事と/殊と】

[副]
特に。とりわけ。格別。
「寄りかかり給へるは、―なれなれしきにこそあめれ」〈野分
まったく。すっかり。
「―明うなりにければ、おどろきて」〈夜の寝覚・四〉

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精選版 日本国語大辞典 「事と」の意味・読み・例文・類語

こと‐と【事と・殊と】

  1. 〘 副詞 〙 ( 名詞「こと」に助詞「と」が付いてできた語 )
  2. 一つ事柄を、特にその事ととり立てることを表わす。とりわけ。格別。
    1. [初出の実例]「このごろは、ことと久しうみえず」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  3. 一つの事柄が、その事一つを目的とするかのように行なわれる有様を表わす。もっぱら。ひたすら。一途に。すっかり。歴然と。はっきり。
    1. [初出の実例]「いかがすべきなどいふほどに、ことと明けはてて」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
    2. 「色におぼれ情にひかれ遊をことと成にはあらず」(出典:浮世草子・近代艷隠者(1686)二)

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