大学事典 「二元式学修課程」の解説
二元式学修課程[独]
にげんしきがくしゅうかてい
学生が高等教育機関で学修を行う一方,企業と職業訓練契約(ドイツ)を結び,当該企業で給与の支払いを受けながら職業訓練にも参加する形式のドイツの学修課程。おもに専門大学(ドイツ)に設置されており,ドイツの中等教育制度の主要な部分を構成する「デュアルシステム(ドイツ)」を高等教育に転用したものである。この課程への入学要件は,まず専門大学の入学資格ないし一般の大学入学資格であるアビトゥーアを有していること,そして入学志願者が職業訓練を提供する企業等と相応の職業訓練契約を締結していることである。入学を認められた学生は,高等教育機関での学修と企業での職業訓練を一定期間交互に受け(3ヵ月単位が一般的),専門大学の場合,通常3.5年(210単位)で学士を取得でき,各種職能団体などによる試験に合格すれば相応の職業資格の取得にも至る。ベルリン市の場合,各大学と企業との協定によって,学生に毎月500ユーロ以上の報酬を支払うことを保障する一方,企業が学修内容の50%に関与することを認めている。
著者: 髙谷亜由子
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報