日本大百科全書(ニッポニカ) 「二年間の休暇」の意味・わかりやすい解説
二年間の休暇
にねんかんのきゅうか
Deux ans de vacances
フランスの作家ジュール・ベルヌの長編小説。1888年刊。1896年(明治29)森田思軒(しけん)の訳著以来、日本では『十五少年漂流記』の題名で知られる。休暇の船旅で15人の少年たちの乗り込む船が、ふとしたことで大洋に漂流、嵐(あらし)にあい無人島に漂着、2年間にわたる冒険生活が始まる。苦難の日々が続くなか、イギリス、フランス、アメリカなどの各国少年の間に羨望(せんぼう)と野心から仲間割れが生じるが、反乱水夫たちの島内侵入と襲撃を前に、団結と相互理解が芽生え、ついに少年たちは島からの脱出に成功する。
[私市保彦]
『朝倉剛訳『二年間の休暇』(1968・福音館書店)』▽『金子博訳『十五少年漂流記』(旺文社文庫)』