休暇(読み)キュウカ

デジタル大辞泉 「休暇」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐か〔キウ‐〕【休暇】

会社・官庁・学校などで認められた、休日以外の休み。「休暇をとる」「夏季休暇
[類語]休日休みホリデーバケーションバカンス

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精選版 日本国語大辞典 「休暇」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐かキウ‥【休暇】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 古くは「休仮」とも ) 令制で官庁の休日。中央官庁では休日は六日毎に一日与えられ六、一二、一八、二四、三〇日(または二九日)が、それにあてられた。これらの定休日の他に仮文(けぶみ)を提出して臨時の休暇をとることもできた。
    1. [初出の実例]「勅、一位已下、賜休暇十五日」(出典:続日本紀‐大宝元年(701)五月己卯)
    2. [その他の文献]〔漢書‐高帝紀・上〕
  3. 勤め、学校などを休むこと。また、学校、官庁、会社などの公の休み。やすみ。〔五国対照兵語字書(1881)〕
    1. [初出の実例]「汝等休暇の日に方り、兄弟、朋友相携へて村落を散歩する時」(出典:日本読本(1887)〈新保磐次〉六)
  4. 会社などで、祝日、日曜日以外で欠勤あつかいにならない休み。
    1. [初出の実例]「自今諸官員父母の祭日には休暇を賜り候。此旨相達候事」(出典:太政官達第三一八号‐明治六年(1873)九月一四日)
  5. ひま。職務から解放された自由な時間。
    1. [初出の実例]「この秋たまたま休暇(キウカ)を得て」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)後)

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改訂新版 世界大百科事典 「休暇」の意味・わかりやすい解説

休暇 (きゅうか)

週休日とは別に,労働者が労働義務を免除されることを定めた日。労働者は,労働基準法により年次有給休暇(39条)および生理休暇(68条)の権利を与えられている。また,労働者が公民権の行使を妨げられないように,使用者は労働者が選挙権その他公民としての権利を行使し,または公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては拒んではならないとされている(7条)。労働協約就業規則には以上の法律上の休暇のほかに,法定の日数を上回る有給休暇,慶弔(法事)休暇,ボランティア休暇,自己研修休暇,メーデー(毎年5月1日),会社創立記念日その他の特別休暇(盆や年末年始の特別休暇)が定められている例が多い。年次有給休暇を除いて休暇期間について使用者は賃金支払い義務を負わない(法定外休暇については賃金保障をする例がみられる)。

 休暇とは別に労働者には次の休業権が保障されている。母性保護のための産前産後休業(65条。出産休暇),職業生活と家庭生活との両立を図る趣旨に基づいて〈育児休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〉(1991年法律76号)により労働者に保障される育児休業および介護休業,および業務上災害または通勤途上災害により負傷し,または疾病に罹った労働者が療養のためにとる休業(労働基準法76条,労働者災害補償保険法12条の8,14条,21条,22条の2)等がそれである。そのほか,使用者の責任範囲に属する事情によって労働者を休業させた場合,使用者は平均賃金の6割の休業手当を支払わなければならないとされている(労働基準法26条)。労働者の最低生活を保障するためにノーワーク・ノーペイの原則の例外を定めたものである。
執筆者:

学校において〈授業を行わない日〉のことをいい,現行法令上は,これを〈休業日〉と称する(学校教育法施行規則)。大学を除く公立学校の休業日は,(1)国民の祝日に関する法律(1948)に規定する日,(2)日曜日,(3)夏季,冬季,学年末,農繁期等に所管の教育委員会が定める日,とされている(同前施行規則)。ただし,(1)(2)については,特別の必要がある場合(たとえば,日曜日を授業参観日とするなど)は,授業を行うことができる。なお,このほか,非常変災その他急迫の事情があるとき,校長は臨時に授業を行わないことができる(臨時休業)。大学や私立学校の休業日は,それぞれの学則で定めることになっている。休業日とは,学校で学習する子ども・青年の立場から,授業が行われない日をいい,そこに勤務する教職員の条例上の〈勤務を要しない日〉とは,必ずしも一致しない。たとえば,夏季休業日などは,子どもたちにとっては〈夏休み〉であるが,教職員にとっては〈勤務を要する日〉である。

 しかし,こうした規定は近代的な学校制度が出発した明治初期から存在したのではない。1879年の教育令(いわゆる〈自由教育令〉)の立案過程で,〈学校ノ休業ハ日曜日ヲ以テ通例トス〉という案もあったが,実際には規定されなかった。81年の府県立学校幼稚園書籍館等設置廃止規則(文部省達)において,伺い出るべきことの中に〈休日〉があげられたが,同年の小学校教則綱領において,〈小学校ニ於テハ日曜日,夏季冬季休業日及大祭日,祝日等ヲ除クノ外授業スヘキモノトス〉とうたい,法制上はじめて通年授業を行う旨規定した。今日のように休業日を規定する方式がとられるようになったのは,1890年の小学校令において,〈小学校ノ休業ハ日曜日ヲ除ク外毎年九十日ヲ超エサルモノトス〉と定められて以降のことである。ただし,小学校祝日大祭日儀式規程(1891)が定められて以降,戦前において,休業日である紀元節,天長節,1月1日などの祝日や大祭日には,教職員や児童,生徒が学校に参集して,教育勅語を奉読したり,《君が代》を合唱したりする式を行っていた。戦後になって,休業日(休日)である祝日も,天皇誕生日以外は直接皇室とは関係ない日が〈国民の祝日〉として定められ,戦前のような儀式などは行われなくなった。
休日
執筆者:

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普及版 字通 「休暇」の読み・字形・画数・意味

【休暇】きゆう(きう)か

休日。休仮。唐・王勃〔王閣の序〕十旬の休暇、友雲の如く、千里の、高座に滿つ。

字通「休」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の休暇の言及

【有給休暇】より

…労働者が休息,娯楽,教養,能力の啓発などの目的のために,休日とは別に,とりたいときに,その期間中の賃金を失うことなく,権利として,労働契約上の労働義務を免除され賃金が支払われる休暇。
[年次有給休暇権の保障]
 新憲法は社会権条項(25条~28条)のなかに法律で定めるべき勤労条件の重要な一部に〈休息権〉を含むべきことを規定している(27条)。…

※「休暇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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