二本柳宿(読み)にほんやなぎしゆく

日本歴史地名大系 「二本柳宿」の解説

二本柳宿
にほんやなぎしゆく

[現在地名]安達町渋川

江戸時代の奥州道中の宿駅で、前宿は油井ゆい宿、次宿は八丁目はつちようのめ宿(現福島市)。当宿からは取揚とりあげ坂を越え、吉倉よしくら村の小屋を経て八丁目宿に入るが、「相生集」には天正(一五七三―九二)初期のこととして二本柳から田子屋たごや館付近を通り、羽黒はぐろ山の東麓をめぐり八丁目に至る道路のあったことが記されている。二本柳の地名は同一四年八月二四日の二ほん松をん所の日記(伊達家文書)にみえるが、それと宿駅二本柳が同一場所であるとは断定できない。「相生集」には同一九年に油井と八丁目の間の道路を改修、それに伴って二本柳宿を開いたとある。また「松藩捜古」に載る慶長三年(一五九八)七月七日の二本柳駅新営証書には「渋川村之内二本柳ニ町を立罷出新地開発可仕也ニ候間、上下之荷物其宿にて為下駄賃有成ニ可取之者也」とあり、上杉家臣安江五三左衛門と石栗将監の花押がすえられている。

宿駅開設当初の町割の様子は不明であるが、昭和四七年(一九七二)測量調査された二〇〇分の一の現況図を基に計測すると、宿の南側は一九七間、北側は一七〇間である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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