井楼(読み)セイロウ

デジタル大辞泉 「井楼」の意味・読み・例文・類語

せい‐ろう【井楼】

戦場で、敵陣を偵察するために材木井桁いげたに組んで作るやぐら。みせやぐら。

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精選版 日本国語大辞典 「井楼」の意味・読み・例文・類語

せい‐ろう【井楼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 戦陣で、敵陣を偵察するために材木をいげたに組んでつくるやぐら。みせやぐら。
    1. [初出の実例]「軈て材木を集め、数百人之番匠を以て種々之功を尽す。勢楼四十八。箭櫓一千七百」(出典:応永記(1399‐1434頃か))
    2. 「かくよき者どもうたせん事然るべからず、仕寄を付棲楼(セイロウ)をあげ、金ほりどもにほらせてせむるにしかじとて」(出典信長記(1622)一一)
  3. せいろう(蒸籠)
    1. [初出の実例]「井楼や下もえわたる草のもち〈聞也〉」(出典:俳諧・桜川(1674)春)

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世界大百科事典(旧版)内の井楼の言及

【城攻め】より

…第2段階は城に接近する行動で,これを〈仕寄(しよ)る〉といい,そのための構築物を〈仕寄(しより)〉,〈仕寄〉を城の近くに接近させることを〈仕寄を付ける〉といった。〈仕寄〉には竹束(たけたば),大楯,井(勢)楼(せいろう)などがあり,いずれも城方の矢弾から攻め方を守るものである。竹束は,竹を束ねたものをいくつか並べて牛(材木を家の棟木のように組んだものをいう)などにつけて楯としたもの,大楯は,板の上に鉄板や鉄鋲を打ちつけたものであった。…

【櫓】より

…鎌倉時代の《一遍聖絵》には,武士の館の門上に櫓がみられ,城や館の門の上や塀の内側につくり,外側を盾板で囲い,敵を監視したり攻撃するのに使われたことがわかる。また,とくに塔のように高い櫓を井楼(せいろう)という。これは室町時代に明と貿易し,かの地の戦法に詳しかった山口の大内氏がはじめて用いたといわれる。…

※「井楼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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