日本歴史地名大系 「享保増補村記」の解説
享保増補村記
きようほぞうほそんき
一二冊 岩国藩編
写本 岩国徴古館
解説 享保一一年より同一七年にかけて領内各村の絵図を作成、それと並行して古村記の増補をしたもの。ただ村境に異論のあるものが多く、その裁決を待って延引、元文三年の春に至ってようやく完成。第一冊は総目録と凡例、第二冊は旧岩国庄のうち一一ヵ村、第三冊は同荘のうち八ヵ村と三島、第四冊は旧藤谷村一五ヵ村、第五冊は藤谷組のうち八ヵ村、第六冊は旧河内郷のうち一四ヵ村、第七冊は同郷のうち一四ヵ村、第八冊は玖珂組のうち四ヵ村、第九冊は同組のうち四ヵ村、第一〇冊は柳井組の四ヵ村、第一一冊は由宇組の六ヵ村、第一二冊は村境異論の地などを付載する。第二冊より第一一冊までの記事は、村名・小名・境界・石高をはじめ、屋敷数・人口・牛馬数・番所・寺社・名所旧跡に至るまで正確に記録する。ことに村高は享保九年当時の実情のほか、寛永・慶安・寛文・元禄の各再検高を併記してある。なおこの村記には各村絵図が付され、論地の図も添える。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報