亭子院跡(読み)ていじいんあと

日本歴史地名大系 「亭子院跡」の解説

亭子院跡
ていじいんあと

亭子院は宇多上皇御所の一つ。「拾芥抄」に「七条ノ坊門北、西洞院西二町、寛平法皇御所、元東七条ノ后温子家」とある。しかし同書東京図は七条坊門以南に描き、七条坊門北は南の誤りとする。この二町は現植松うえまつ町・紅葉もみじ町・高雄たかお町・文覚もんがく町のほぼ全域と、鍛冶屋かじや町・福本ふくもと町・玉本たまもと町・米屋こめや町のそれぞれ半分にあたる。温子は宇多天皇の女御で、摂政藤原基経の女である。温子の家は「日本紀略」延喜三年(九〇三)八月二八日条に「中宮(温子)朱雀院御東七条宮」、「園太暦」同七年六月八日条に「於東七条昭宣公三娘醍醐天皇養母御事アリ 」と記される。

宇多天皇は退位後この院を御所としたため、「大鏡」が天皇を「亭子のみかどゝ申き」と記し、「皇胤紹運録」など諸系図や伝が「号亭子院」と記すように、宇多自身をも亭子院とよぶ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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