今富保(読み)いまどみほ

日本歴史地名大系 「今富保」の解説

今富保
いまどみほ

上総国に置かれた保。現市原市今富に比定される。太政官厨家領で、文永六年(一二六九)頃と推定される官中便補地由緒注文案(壬生家文書、以下同文書)に小槻氏の所領の一つとして「朝治知行所々、上総国今富保」とある。同年と推定される小槻有家申状および小槻朝治書状案などによれば、朝治の主張は祖父国宗が官務のとき便補保として小槻氏の所領となり、貞応二年(一二二三)に国宗が死去して父季継に分付され、延応元年(一二三九)宣旨も受け、朝治へと譲与されたという。しかし小槻淳方・有家から朝治の知行に異論が出され、一族間の争論となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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