有家(読み)ありえ

日本大百科全書(ニッポニカ)「有家」の解説

有家
ありえ

長崎県南東部、南高来(みなみたかき)郡にあった旧町名(有家町(ちょう))。現在は南島原市(みなみしまばらし)の中東部を占める。旧有家町は1927年(昭和2)町制施行。1956年(昭和31)堂崎(どうざき)村と合併。2006年(平成18)西有家、南有馬(みなみありま)、北有馬、口之津(くちのつ)、加津佐(かづさ)、深江(ふかえ)、布津(ふつ)の7町と合併、市制施行して南島原市となった。旧町域は雲仙岳(うんぜんだけ)の南東麓(ろく)に位置し、国道251号が通じる。雲仙岳から島原湾に向かって広がる俵石(たわらいし)扇状地のスロープ地帯では、葉タバコと果樹(ミカン、ナシ、ブドウ)の栽培が盛んで、有家川下流の沖積地では米作のほかに、ビニルハウスによる促成キュウリの特産があり、おもに長崎、佐世保(させぼ)市に出荷される。俵石扇状地の扇頂部には俵石展望台があり、島原湾、熊本、阿蘇(あそ)山を望みうる。展望台近くには鮎帰ノ滝(あゆがえりのたき)がある。中須川(なかすかわ)地区にはキリシタン墓碑が多く(23基)、前田の屋敷とよばれる所にセミナリオと教会跡の標識がある。島原・天草一揆(いっき)では、有馬(ありま)とともに一揆に参加した農民がもっとも多かった地である。

[石井泰義]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「有家」の解説

有家
ありえ

長崎県南東部,南島原市東部の旧町域。島原半島南部雲仙岳の南東麓にある。 1927年町制施行。 1956年堂崎村と合体。 2006年加津佐町,口之津町,南有馬町,北有馬町,西有家町,布津町,深江町と合体して南島原市となった。慶長年間 (1596~1615) にキリシタンの布教地となったところで,キリシタンの墓碑を中心とした史跡公園,セミナリオ跡などがある。主産業は農業で,葉タバコ,ミカン,野菜の栽培が行なわれ,そうめんを特産する。一部は雲仙天草国立公園に属する。

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