日本大百科全書(ニッポニカ) 「介護職員初任者研修」の意味・わかりやすい解説
介護職員初任者研修
かいごしょくいんしょにんしゃけんしゅう
訪問介護を含め介護の仕事につこうとする人に必修と定められた130時間の研修。介護を行う者に必要とされる最低限の基礎的知識および生活支援技術を習得すると同時に、介護を行うにあたっての考え方やプロセスを身につけ、基本的な介護業務を行うことができるようにすることを目的とする。2013年(平成25)に改正された介護保険法施行規則に示す指針に沿って、厚生労働大臣が定める基準に準じた都道府県ごとの実施要綱に基づき、指定された養成機関で実施される。これまでの介護職の資格取得には訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修(1級~3級)や介護職員基礎研修など、さまざまな制度が混在しており、そのために複雑となっていたキャリアパスを一元化するねらいもある。
研修のカリキュラムは、介護の基本や介護・福祉サービスの理解、老化や認知症および障害の理解、医療との連携、心とからだのしくみ、コミュニケーション技術および生活支援技術などで、演習や実習と並行して行われる。従来の研修に比べ介護技術に関連する時間数が増え、また最後には筆記試験が行われることになった。
[編集部 2017年2月16日]