仏海庵
ぶつかいあん
[現在地名]室戸市佐喜浜町 入木
安芸郡東洋町野根から海沿いに南下する街道沿いにあり、古くは飛石庵とよばれた。東洋町境の淀ヶ磯の難所を通行する遍路の接待と救難のため、江戸時代中期に木食僧仏海が建立した庵で、仏海の死後仏海庵として庶民の信仰を集めた。庵には往時使用された青銅製の大茶釜が残る。
仏海は伊予国風早郡猿川村(現愛媛県北条市)に生れ、高野山で修行、全国の霊場を巡り地蔵菩薩三千体を刻んだという。佐喜浜にも仏海庵前・都呂・大谷・淀ヶ磯の四ヵ所に道しるべを兼ねた野仏が残る。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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