デジタル大辞泉
「他形」の意味・読み・例文・類語
た‐けい【他形】
鉱物の形で、他の鉱物に妨げられて、その鉱物固有の結晶面をもてないもの。→自形
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た‐けい【他形】
- 〘 名詞 〙 鉱物が固有の結晶形を示さず、周囲の他の鉱物の形に支配された、偶然的な形を示す現象。〔英和和英地学字彙(1914)〕
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他形
火成岩の鉱物の形状で,その鉱物固有の結晶面が発達せず,隣接した鉱物の結晶面に囲まれ,独自の形が見られない鉱物粒[Rohrbach : 1886].他形には様々な語が使われており,xenomorphic[Rohrbach : 1886],allotriomorphic[Rosenbusch : 1887],anhedral[Pirsson : 1896]などはすべて同じ意味である.火成岩の中で他の鉱物が成長したために,結晶面が発達しなかった結晶である.いずれの英語も同じ意味で使用されるが,anhedralは破砕された堆積粒で明瞭な結晶形を示さない場合にも使われる[Pirsson : 1896, Cross, et al. : 1906].ギリシャ語で,xenosは外国のとか外来の意味,allotriosは異なる(alien)の意味,morpheは形である.aは否定で,hedraは面のこと.
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
他形
たけい
結晶質物質の外形を表す語。その外形が隣接する他の結晶の存在によって、その種に特有の結晶面が発達していないような場合を示す。
[加藤 昭]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
他形
タケイ
allotriomorphic, xenomorphic, anhedral
結晶が特有の結晶面をまったく示さず,不規則な形をしていることをいう.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の他形の言及
【鉱物】より
…岩石の空隙(晶洞)中に熱水より生じた水晶の結晶はその例である。これに対し,岩石を構成する鉱物の多く,例えば花コウ岩中の石英などは,他の鉱物の間をみたして結晶し,〈他形〉を示している。 結晶はその示す独特な外形により次のような呼び方がある。…
※「他形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」