自形(読み)ジケイ

デジタル大辞泉 「自形」の意味・読み・例文・類語

じ‐けい【自形】

火成岩中の鉱物の形で、鉱物固有の結晶面の発達しているもの。→他形

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精選版 日本国語大辞典 「自形」の意味・読み・例文・類語

じ‐けい【自形】

  1. 〘 名詞 〙 ある鉱物がその鉱物に特有な結晶面で囲まれている場合をいう。他形・変形に対していう。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「自形」の意味・わかりやすい解説

自形
じけい

結晶質物質外形を表す用語で、通常結晶面で囲まれているため、自形結晶ともいう。その物質に固有の結晶面がよく発達し、物質の外形が完全あるいはそれに近い状態で存在している場合を示す。厳密にする必要のある場合は、完全自形という表現も用いられる。火山岩斑晶(はんしょう)のように、他物質と接して存在する場合と、空隙(くうげき)中の鉱物のように、他物質と接していない場合とがある。

加藤 昭]

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岩石学辞典 「自形」の解説

自形

火成岩の鉱物粒が,その鉱物に特有の結晶面で完全に囲まれたものをいう[Pirsson : 1899].この組織には多くの名称が付けられたがすべて同じ組織のことである.しかし土壌の分野でautomoprhicは土壌が形成される過程で地下水の影響がないことをいう[Neustruev : 1931, Robinson : 1936, Tomkeieff : 1983].idiomorphic[Rosenbusch : 1887],automorphic[Rohrbach : 1886],panidiomorphic,eumorphic[Greenly : 1919]はすべて自形という意味である.ギリシャ語のeuは英語のwellまたはtrueで,hedraは面,idioはそれ自体の,morpheは形の意味である.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

化学辞典 第2版 「自形」の解説

自形
ジケイ
idiomorphic

結晶がその固有の結晶面で囲まれて,規則正しい形をしていることをいう.これに対する用語は他形である.場合により,automorphic,またはeuhedralという.一般に,火山岩早期晶出する結晶は自形を呈する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の自形の言及

【鉱物】より

…例えばアルミナシリカゲルのように天然産無機物質であって非晶質であるもの,また常温では液状を呈する自然水銀,またグアノ堆積中に産出する含水シュウ酸アンモニウムのような有機質結晶などである。
【鉱物の諸性質】

[形態]
 鉱物が自由な空間において結晶した場合は,本来その鉱物の示す規則正しい対称性をもつ凸多面体の結晶形態を示し,この場合を〈自形〉を示すという。岩石の空隙(晶洞)中に熱水より生じた水晶の結晶はその例である。…

※「自形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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