仙石線(読み)せんせきせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「仙石線」の意味・わかりやすい解説

仙石線
せんせきせん

宮城県東部を走る東日本旅客鉄道(JR東日本)の線路名称。あおば通(どおり)―石巻(いしまき)間49.0キロメートル。あおば通―東塩釜(ひがししおがま)間17.2キロメートルが複線でそのほか単線全線直流電化。松島湾、石巻湾岸を走り、石巻で石巻線に接続する。仙台市東郊に延びる郊外電車の機能をもつとともに、多賀城塩竈(しおがま)、石巻などの都市、松島海岸の観光地を仙台と結んでおり、列車運転の頻度も比較的高い。宮城電気鉄道として、1925~1928年(大正14~昭和3)に開業し、1944年国有化されて仙石線となった。1987年、日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化に伴い、JR東日本に所属。2000年(平成12)に仙台トンネルが完成したことで、仙台―陸前原ノ町(りくぜんはらのまち)間が地下化されるとともに、あおば通―仙台間(0.5キロメートル)が開業した。2011年に発生した東日本大震災で甚大な被害を受けたが、2015年の高城町(たかぎまち)―陸前小野(おの)間の復旧により全線再開した。再開にあたり、陸前大塚(おおつか)―陸前小野間で内陸側へルート変更が行われたため、営業キロが1.2キロメートル短縮された。全線復旧と同時に、高城町と東北本線の松島間に連絡線が整備され、仙石東北ラインとして相互直通運転が開始された。

青木栄一・青木 亮 2016年3月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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