仮初にも(読み)かりそめにも

精選版 日本国語大辞典 「仮初にも」の意味・読み・例文・類語

かりそめ【仮初】 に も

  1. ほんの一時的にも。ちょっとでも。気まぐれでも。かりにも。
    1. [初出の実例]「此法花経は、ただ首題の名字ばかりを、かりそめにも耳にふれ、たはぶれにも口にとなふるに、其利益えずと申す事なし」(出典:法華修法一百座聞書抄(1110)六月二六日)
    2. 「苟且(カリソメ)にもお武家方に向って、文七が慮外すると云はれては、仲間の名折れだ」(出典歌舞伎・侠客五雁金(1794)序幕)
  2. 下に打消、反語などを伴ってその意味を強める。たとえかたときでも。冗談にも。決して。
    1. [初出の実例]「又袈裟懸けずして仮借(カリソメ)にも聖教を手に取り給ふことなし」(出典:栂尾明恵上人伝記(1232‐50頃)上)
    2. 「かりそめにも、悪しき心を持はづではない」(出典:狂言記・土産の鏡(1700))
  3. 実質は十分にそなえていないかもしれないが、少なくとも、と強調する意を表わす。いやしくも。
    1. [初出の実例]「苟(カリソ)めにも人を愛するといふからには、必ず先づ互ひに天性気質を知りあはねばならぬ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)

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