デジタル大辞泉 「冗談」の意味・読み・例文・類語
じょう‐だん【冗談】
1 遊びでいう言葉。ふざけた内容の話。「
2 たわむれにすること。また、そのさま。いたずら。「
「―な女どもだ。みんな着物をかぶってくるは」〈滑・膝栗毛・六〉
[補説]曲名別項。→冗談
[類語]ジョーク・軽口・洒落・駄洒落・諧謔
( 1 )狂言など中世・近世の仮名書きの例については、どのような漢字を当てるのが適切か必ずしも明らかでない。①は雑談の意味の「常談」に近いが、②③は「しょうだん(笑談)」に意味が近く、これが俗語で「ジョウダン」と濁音化したものか。
( 2 )これら語形・意味の類似している語が影響を与えあう中で、明治時代には「戯談」「戯言」「串戯」等が当てられており、異表記は計十数種類に及んだ。
( 3 )「冗談」に定着したのは大正時代以後のことと見られる。
チェコの作家クンデラの長編小説。1967年刊。学生時代、女友達への葉書に書いた冗談(楽天主義は人類のアヘンだ! 健全な精神なんてあほくさい。トロツキー万歳!)がもとで党を追放され「黒い懲罰隊」で苦労したヤーンは、十数年後、彼の追放劇に主役を演じた旧友に対し、その妻である放送記者を誘惑して復讐(ふくしゅう)を遂げようとする。自分の生まれ故郷での祭りに乗じてその意図は成功したかに思われたが、旧友夫妻の仲はすでに終わっていたことを知り、やりきれぬむなしさのみが残る。非人間的な体制への無力な人間の抵抗が、黒いユーモアに満ちた文体で語られており、いくつもの外国語に翻訳されて評判をよんだ。
[飯島 周]
『関根日出男・中村猛訳『冗談』(2002・みすず書房)』
…実際の親密度とはかかわりなく,互いに相手をからかい中傷することや通常なら無礼と非難される行為が許され,時にそうすることが期待されるような関係を社会制度としてもつ場合,その関係を冗談関係という。許される行為は,軽い冗談から,相手の物を盗んだり相手を呪ったり,さらに猥褻(わいせつ)なあるいは侮辱的な行動をとり言葉を浴びせるなど,場合によりさまざまだが,こうした行為がかえって相手に幸福をもたらすとされたりする。…
…第2次世界大戦後チェコが生んだもっとも才能ある作家で,評論《長編小説の芸術》(1960),戯曲《鍵の持主たち》(1963),短編集《微笑を誘う愛の物語》(1963‐68),代表作の長編《冗談》(1967,邦訳あり)などを発表,大作家への完成が期待されたが,1968年のいわゆるチェコ事件以後フランスへ出国,現在フランスで活躍中。滞仏作品に《生は彼方へ》(1969完成,邦訳あり)ほかがある。…
※「冗談」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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