仮名日本紀(読み)かなにほんぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「仮名日本紀」の意味・わかりやすい解説

仮名日本紀
かなにほんぎ

日本書紀』を漢字交りのかな書きにした書物。 30巻と目録2巻。書下した者,成立年代未詳。鎌倉時代から『日本書紀』をはじめ,漢籍の『貞観政要』,仏典の『法華経』などをかな書きにする風潮が一部にあった。この書物は,初学者や,人前漢文体の書物を読むことをはばかった女性向けのものであるが,学者の施した訓点をもとにしている。なお,『日本書紀』の神代巻だけをかたかな書きに書下した『仮名神代巻抄』 (2巻) は,中世の神道家の解釈,読みを研究するうえで貴重なものである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排他的経済水域

略称 EEZ。沿岸国が水産資源や海底鉱物資源などについて排他的管轄権を行使しうる水域。領海を越えてこれに接続する区域で,領海基線から 200カイリの範囲をいう。沿岸国は,水中ならびに海底と地下の天然資...

排他的経済水域の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android