伊奈流(読み)いなりゅう

精選版 日本国語大辞典 「伊奈流」の意味・読み・例文・類語

いな‐りゅう‥リウ【伊奈流】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代の貢租徴収の方法一つ収穫豊凶にかかわりなく、常に一定租額を徴収する方法で、伊奈備前守が始めたもの。豊年のときは多く、凶年のときは少なく徴収する彦坂流に対していう。
    1. [初出の実例]「御家の地方の法、伊奈流・彦坂流と申候て両家御座候」(出典:辻六郎左衛門上書(18C前か))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の伊奈流の言及

【伊奈忠次】より

…関東入国後は,武蔵国北足立郡小室(埼玉県北足立郡伊奈町)に陣屋を構え,利根川・荒川の改修,検地・知行割,新田開発,寺社政策など,関東領国の財政基盤の確立に寄与した。その地方(じかた)の仕法は備前検地,備前堀,伊奈流とよばれ,幕府の地方の基本になった。1600年(慶長5)関ヶ原の戦には小荷駄奉行として活躍。…

【備前検地】より

…徳川氏の代官頭伊奈備前守忠次が実施した検地の呼称で,その仕法を伊奈流,熊蔵縄ともいう。伊奈忠次の検地は1590年(天正18)伊豆国の総検地が最初であるが,その後のおもな検地は91年武蔵国,94年(文禄3)相模国,1603‐04年(慶長8‐9)遠江国・駿河国・相模国総検地,08年尾張国総検地である。…

※「伊奈流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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