伊岐佐村(読み)いきさむら

日本歴史地名大系 「伊岐佐村」の解説

伊岐佐村
いきさむら

[現在地名]相知町大字伊岐佐

松浦川の右岸とその支流伊岐佐川の流域にある。伊岐佐川は作礼さくれい山より発し、伊岐佐の扇状地で合する左伊岐佐ひだりいきさ川は星領ほしりよう村(現厳木きゆうらぎ町)より発する。三方五穀神ごこくかみ山・白峯しらみね山・小作礼こさくれい山・作礼山・ポシャ岳などで囲まれた地域。

和名抄」の生佐いきさ郷に比定され、古代から中世にかけての官道筋にあたるとされる。かつて松浦川はこの村の幸の元さやのもと付近まで海水が浸入し、船泊地とされた。最近まで満潮時はこの付近まで潮水が松浦川をさかのぼっていた。「吾妻鏡」の寛元三年(一二四五)条に「松浦執行源授被籠其身、上野入道日阿所預守護也、是与鶴田五郎源馴、就肥前国松浦庄西郷内佐里村、壱岐泊牛牧等相論事」と記す。この壱岐泊を伊岐佐に比定する説がある。

弘安四年(一二八一)蒙古が博多に襲来のとき、相知小太郎比は武勲によりむこう邑を加増された。相知由緒略録に「相知小太郎入道蓮賀 実名 比 弘安四年蒙古兵船来博多津 此時有軍功賞同郷向邑加増 感状笠椎邑向氏持之。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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