伊津部村(読み)いちぶむら

日本歴史地名大系 「伊津部村」の解説

伊津部村
いちぶむら

[現在地名]名瀬伊津部町いつぶちよう港町みなとまち佐大熊町さだいくまちよう小浜町こはまちよう末広町すえひろちよう永田町ながたちよう石橋町いしばしちよう安勝町あんがちちよう小俣町こまたちよう古田町ふるたちよう春日町かすがちよう真名津町まなづちよう平田町ひらたちよう

現名瀬市域の中央部に位置し、集落は名瀬の入江に臨む。しん川が北流している。西は金久かねく村。「南島雑話」によれば、伊津部村から南の伊津部勝いちんがち村へ越える坂は難所であるという。地内に中里なかざと唐浜からばま舟蔵ふなぐらなどの地名がある。南端にあるおがみ山の背後の尾根空堀がみられるが、敵の侵入を直接に防御するものというよりは、ノロが霊力をもつ粟粥を注ぐ儀式を行ったところで、悪霊シマ(村)に侵入するのを防ぐものであったという。「おもろさうし」第一三に「伊津部祭神」が謡われている。近世は名瀬間切名瀬方のうちで、「三州御治世要覧」に「伊津部村」とある。「大島私考」には名瀬方一二ヵ村のうちとして伊津部村とみえ、高二一六石余、うち享保内検後の開地は六石余で、役屋敷分として六斗余が記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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