佐喜浜経塚(読み)さきはまきようづか

日本歴史地名大系 「佐喜浜経塚」の解説

佐喜浜経塚
さきはまきようづか

[現在地名]室戸市佐喜浜町 浦

大日だいにち寺の西隣、宇田うだ墓地西端にある。県指定史跡。二基の自然石の塔婆で、この地に住した医者で国学者でもあった清岡魚幸が文化八年(一八一一)に発掘調査し、著書「崎浜拾玉集」に記録と図面を掲載している。現在残る塔婆は一基が高さ・幅ともに一メートル程度で、一基が高さ七五センチ、幅六〇センチ程度である。地元の風化しやすい甲浦石(砂岩)を用いているため、刻まれた文字は定かでなくなりつつあるが、一基は基面の表左側に光明真言と大日を表す梵字、その左に阿弥陀三尊の梵字を入れる。さらにその左に「応長元年辛亥大願主」とあり、願主名はすでに磨滅して解読しがたい。また各梵字の下と裏面には一神・浄心・西真・慈阿・観音・石・清長・頼清・頼真・安光など一〇人以上の人名が刻まれ、塔婆の建立に努力した施主の名であろうか。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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