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経塚 きょうづか

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

経塚
きょうづか

経典を主体に埋めた場所をいう。営造は 10世紀の終り頃,日本で発生し,現在も行われている。仏教的作善行為の一種で,当初は末法思想を背景に,弥勒菩薩が釈迦の入滅後 56億 7000万年して下生し,竜華樹の下で説法するときにそなえて,それまで経典を伝えたいという意図が含まれていた。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

経塚

法華経などの経典を銅製や陶製などの経筒に入れ、さらにやきものの壺(つぼ)を使った外容器に入れて、地中に納めた埋納施設。12世紀にピークを迎え、近畿と北部九州に密集する。銅製の経筒は様々に形式分類され、地域性を反映しているともいわれる。経典は紙の紙本経(しほんきょう)が主だが、お経を瓦に刻んだものや、まれに銅板に刻んで箱に収めたものもある。

(2012-04-17 朝日新聞 朝刊 福岡全県 2地方)

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デジタル大辞泉の解説

きょう‐づか〔キヤウ‐〕【経塚】

経文を経筒・経箱に入れて埋めた塚。後世まで教法を伝えようとし、また追善供養現世利益(げんぜりやく)などを目的に平安中期から近世にかけて行われた。仏具などを添えることが多く、経石・瓦経なども埋めた。

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百科事典マイペディアの解説

経塚【きょうづか】

土中に小石室をつくり,経筒や経箱に経典を入れて埋納し,盛土をした塚。弥勒(みろく)出現のときまで経典を残すことを目的とする。後には極楽往生,現世利益を目的としてつくられるようになる。
→関連項目瓦経船木田荘

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防府市歴史用語集の解説

経塚

 仏教の経典[きょうてん]を地下に埋め、土を盛ったものです。末法[まっぽう]の世に経典がなくなることをおそれ、末法が終わるまで保管することが目的でしたが、次第に極楽[ごくらく]に行けるようにというお祈りや死者の供養[くよう]目的に変わっていきます。

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世界大百科事典 第2版の解説

きょうづか【経塚】

経典を主体として埋納したところ。写経供養の一形態で,古来,慈覚大師円仁(794‐864)を創始者に擬しているが,確証はない。今日知られている最も早い確実な事例は,藤原道長が1007年(寛弘4)に金峰山(きんぷせん)(奈良)に埋納した例で,発見された経巻,経筒は《御堂関白記》の記事と一致している。埋めたのは紺紙金字の法華経(開結とも),阿弥陀経,弥勒経,般若心経であるが,これらの経巻が竜華の晨,すなわち56億7千万年の後,弥勒が世に出る時まで伝えられることを念じている。

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大辞林 第三版の解説

きょうづか【経塚】

〘仏〙 仏教経典を後世に残し、また極楽往生・現世利益を願って経典・経筒・経石・経瓦などを埋めた塚。上に五輪塔を建てたりする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

経塚
きょうづか

仏教経典を供養ののち地下に埋納して小規模の封土を設けたもの。埋納顕現の直接的目的は、末法思想に基づく仏法書の保存にあるが、それは弥勒(みろく)信仰によるものであった。中国においては天台宗二祖慧思(えし)(515―577)によって始められ、日本では慈覚大師円仁(えんにん)(794―864)により中国からもたらされたといわれている。その後、埋経は平安後期に隆盛を極めたが、多くは極楽往生(ごくらくおうじょう)、現世利益(げんぜりやく)などを目的とした阿弥陀(あみだ)信仰によっている。さらに追善、逆修(ぎゃくしゅ)を目的として営まれるものも現れ、経典の永劫(えいごう)への保存目的という本来の目的より離れて、しだいに供養者自身の願望と結び付いていった。
 埋納経典としては、『法華経(ほけきょう)』『無量寿経(むりょうじゅきょう)』『阿弥陀経』『弥勒経』『般若心経(はんにゃしんぎょう)』『大日経(だいにちきょう)』『金剛頂経(こんごうちょうきょう)』『理趣経(りしゅきょう)』などがある。これらの経典は、紙に書写された紙本経(しほんきょう)、瓦(かわら)に刻された瓦経(がきょう)、銅・石に刻された銅板経・滑石経(かっせききょう)、木に書かれた(こけらきょう)、石に書かれた礫石経(れきせききょう)(一石に一字宛(あて)書かれた一字一石経)、貝殻の内側に書かれた貝殻経などがある。紙本経は経筒(きょうづつ)あるいは経箱に収納され、さらに小石室様遺構の中に埋置される例もある。そして鏡、刀子(とうす)などを悪魔除(よ)けとして添え、また銭貨、武器、装身具類などを奉賽(ほうさい)するものが多い。この紙本経は平安時代より室町時代にかけて認められるのに対し、瓦経、銅板経、滑石経は平安時代のみ、礫石経、貝殻経は室町時代以降にみいだされることが多い。平安時代の経塚は、寺院、神社の境内地あるいは霊地の眺望のよい丘陵上とか南・東斜面に営まれるのが一般的であり、さらに修験道(しゅげんどう)関係の金峯山(きんぶせん)、熊野、英彦(ひこ)山、白山(はくさん)などにも造営されている。また、室町~江戸時代の礫石経塚は、当時の集落に接する地より多くみいだされており、上部に石塔を造立しているものが多い。[坂詰秀一]
『三宅敏之著『経塚論攷』(1983・雄山閣出版)』

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世界大百科事典内の経塚の言及

【塚】より

…そうした境が祭場とされる場合が多く,虫送りの行事で悪神を送り出す場所が虫塚,虫追い塚と称されるのもその一例である。このほか弥勒下生信仰,末法思想を背景として,法華経を書写し土中に埋めた経塚はよく知られている。古墳【宮本 袈裟雄】。…

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