体外衝撃波砕石術

六訂版 家庭医学大全科 「体外衝撃波砕石術」の解説

体外衝撃波砕石術(ESWL)
(腎臓と尿路の病気)

 ESWLは、上部尿路結石治療の中心を占めています。近年では第3世代の砕石装置が登場し、機器も進歩しています。衝撃波発生装置は水中放電方式、電圧方式、電磁波変換方式に大別されます。衝撃波の伝播(でんぱん)方式には、患者さんの体を水槽内に入れる湿式と、水槽を使用しない乾式があります。

 結石に照準を合わせる方法には、X線透視または超音波を用います。X線透視照準法は、X線非透過性結石(通常のカルシウム含有結石)に対しては結石に照準を簡単に合わせられますが、尿酸結石、シスチン結石などのX線透過結石や腸管ガスが多い場合には照準が合わせられません。超音波照準法はX線被曝(ひばく)がない点はよいのですが、尿管結石の場合に照準が合わせにくい欠点があります。

 麻酔は、初期には全身麻酔を行っていましたが、硬膜外(こうまくがい)麻酔や局所麻酔、鎮痛薬(ペンタゾシンなど)を用いても治療できるようになり、入院日数も短縮できるようになりました。一般には、経過観察を含めて数日の入院をしますが、1泊または日帰り手術も可能になりました。

 治療するうえでの問題点として、破砕された結石の小片が尿管内に詰まるストーンストリートや、血尿、腎周囲・腎被膜下血腫(じんひまくかけっしゅ)などがあります。このため、抗凝固薬投与時など出血しやすい状態でのESWLは好ましくありません。

 また、結石の近くに動脈瘤(どうみゃくりゅう)腹部大動脈瘤、腎動脈瘤)がある場合は、症例によっては施行できないこともあります。骨盤腎(腎臓の位置異常で、骨盤内にあるもの)や小児ではあまり推奨されていません。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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