人体内に生じた異常な石のことで、分泌腺腔(せんくう)、排泄(はいせつ)管、中空の臓器内などにできる。分泌液や消化液中の成分が一定の化学的・物理的原因によって濃縮、凝固したり、尿中成分が析出、結晶化する結果、生ずる。外から入った異物や炎症性産物(細菌や脱落上皮)が結石の核になることもある。結石は次の三つに大別される。
(1)結石が生じた部位名をつけてよばれるもの 腎臓(じんぞう)結石、尿管結石、膀胱(ぼうこう)結石、前立腺結石、尿道結石、精嚢腺(せいのうせん)結石、唾石(だせき)、胃石、胆石、総胆管結石、膵(すい)石、腸石、涙(るい)石、歯(し)石。
(2)成分名をつけてよぶもの シュウ酸カルシウム結石、尿酸結石、シスチン結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石、コレステロール結石、ビリルビン結石、キサンチン結石、糞(ふん)石。
(3)形状名をつけてよぶもの さんご状結石、鹿角(ろっかく)状結石、桑実(そうじつ)状結石、軟結石など。
結石ができていても、症状がないこと(サイレントストーン)もある。分泌腺の排泄管や尿路に生じた結石は、多くの場合、閉塞(へいそく)をおこすので、仙痛発作といわれる激痛(平滑筋のけいれんに由来する)や発熱をきたす。細菌感染を合併したり、疼痛(とうつう)発作を繰り返すような場合は、外科的治療によって結石を除去しなければならない。
[松下一男]
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体内で排出物や分泌物の成分が固まって堅い固形物を形成したものをいう。胆囊および胆道系にできる結石は,胆汁の成分であるコレステロール,ビリルビンカルシウムおよび炭酸カルシウムの組み合わさったものでできており,一般に胆石と呼ばれている。胆汁成分の異常,胆汁鬱滞(うつたい)および感染が加わった場合などに発生する。腎尿路系にできる結石は尿路結石と総称され,シュウ酸カルシウムが主体で種々の割合にリン酸カルシウムが混じたものが圧倒的に多く,次いでマグネシウム,アンモニウムとリン酸の混合物で,まれに尿酸が主成分のものがある。血清カルシウム値が上昇する疾患などでは,尿中のカルシウム量も増加し,結石が生じやすくなる。胆石や腎結石のほかに,唾液腺にできる唾石,膵臓の導管にできる膵石(膵石症),扁桃腺にできる扁桃石,腸の中で糞便といっしょにできる腸結石(糞石fecalith),および膀胱や前立腺にできる膀胱結石,前立腺結石などがまれにみられる。
執筆者:長島 和郎
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