侍浜(読み)さむらいはま

日本歴史地名大系 「侍浜」の解説

侍浜
さむらいはま

[現在地名]石巻市侍浜

月浦つきのうらの東隣にあり、南東荻浜おぎのはまに続く小集落。鎌倉時代、この地に流寓した源氏武士の後裔と伝える杉浦氏が代々肝入を世襲、天保飢饉による仙台藩の財政危機の際、五両二分を献金して杉浦屋の家号を許されたという(石巻市史)。慶長一八年(一六一三)三月から月浦での遣欧船建造のため、幕府船手頭向井忠勝・仙台藩御船奉行河東田親顕・同秋保頼重らをはじめとする幕府・仙台藩の役人多数がここに駐在したための地名とも、葛西清重が海路奥州下向の際、暴風に遭遇してここに着岸、大勢の家臣が上陸したためとも伝え(宮城県地名考)、月浦への古道わきに「さぶらひ浜」と刻す石碑が残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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