月浦(読み)げっぽ

精選版 日本国語大辞典 「月浦」の意味・読み・例文・類語

げっ‐ぽ【月浦】

〘名〙 月の光の照らす浜辺
菅家文草(900頃)六・九日後朝、侍朱雀院、同賦閑居楽秋水「観夫月浦蕭々、分鏡水而繞籬下」 〔梁元帝‐玄圃牛渚磯碑〕

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日本歴史地名大系 「月浦」の解説

月浦
つきのうら

[現在地名]石巻市月浦

石巻湾に面する牡鹿おしか半島西岸はかまヶ岳(三五八・六メートル)の西麓に立地、北は桃浦もものうら、東は侍浜さむらいはまに接する漁村。集落の南西五〇〇メートルに面積一〇・五九ヘクタールの小出こいで(小鯛島)があり、絶好の風除けとなっている。小出島は全島貝殻の化石から成立っている。奥州葛西氏初代清重一行が鎌倉から海路下向の際、暴風に遭遇して着岸したところから着浦の名が生れ、のちに月浦の文字があてられたとする伝承がある(宮城県地名考)。セバスチャン・ビスカイノの「金銀島探検報告」の慶長一六年(一六一一)一一月二〇日条に小竹浜こだけはまに「劣らざる他の良港あり、San Feripeの称を与へたり。海岸にChiquimora(月浦)といふ村あり」とある。二年後の同一八年九月一五日、伊達政宗の遣欧使節支倉常長一行ほかがスペインの宣教師ソテロを同伴し、ガレウタ型帆船サン・フアン・バプチスタ号に乗込み、月浦港を出航した。「貞山公治家記録」に「此日南蛮国ヘ渡サル黒船、牡鹿郡月浦ヨリ発ス。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「月浦」の意味・わかりやすい解説

月浦
つきのうら

宮城県東部、石巻市(いしのまきし)の一地区。牡鹿(おしか)半島の西岸、石巻湾に面する。1613年(慶長18)伊達政宗(だてまさむね)の命による遣欧使節支倉常長(はせくらつねなが)一行がサン・フアン・バプチスタ号で出帆した港として知られる。

[後藤雄二]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「月浦」の解説

月浦 げっぽ

?-? 戦国時代画家
賢江祥啓(けんこう-しょうけい)の画風ににて,ことに水墨画の観音像が佳作であったとつたえられている。

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普及版 字通 「月浦」の読み・字形・画数・意味

【月浦】げつぽ

月汀

字通「月」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の月浦の言及

【承兌】より

…承兌は諱(いみな),字(あざな)は西笑(さいしよう∥せいしよう)。号は月浦または南陽。詩文を仁如集尭に学び,のち夢窓派の中華承舜の法嗣となる。…

※「月浦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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