俗語論(読み)ゾクゴロン(その他表記)De vulgari eloquentia

関連語 ダンテ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「俗語論」の意味・わかりやすい解説

俗語論
ぞくごろん
De vulgari eloquentia

イタリアの詩人ダンテのラテン語の論文。 1304~07年の作。全4編から成る予定であったが,第2編 14章で中断。ヨーロッパ諸言語源流にさかのぼって検討する一方,イタリア諸地域の方言アペニン山脈の東西2群 14に分類し,文学に最もふさわしい言語を探究しようとしたもの。ダンテによれば,それは光輝ある言語で,同時に宮廷的,法廷的かつ基本的な諸要素を兼ねそなえたものでなければならず,それこそは最も高貴な主題「愛」や「清廉」を表現するのにふさわしいはずの言語であった。

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世界大百科事典(旧版)内の俗語論の言及

【イタリア文学】より

…マキアベリの《君主論》(1513),B.カスティリオーネの《廷臣論》(1513),P.アレティーノの《談論》(1534‐39),F.グイッチャルディーニの《回想録》(1561‐64),また廷臣というよりは民衆に近い彫金師(そして殺人者)B.チェリーニの《自伝》(出版は1728)などである。 ところで,ダンテが《俗語論》(1304以降)のなかで初めて文章語としての価値を論究した〈俗語〉は,《神曲》と《カンツォニエーレ》と《デカメロン》によって,文字どおり〈輝かしい俗語〉となった。しかし言語論の立場からこれに一定の価値を与えたのはP.ベンボであった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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