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保険委付(読み)ほけんいふ(英語表記)abandonment

翻訳|abandonment

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

保険委付
ほけんいふ
abandonment

海上保険に特有の制度で,船舶の行方不明,修繕不能の大破損のように,保険の目的が全損したと同視すべき場合や全損の証明や計算が困難な場合に (商法 833) ,被保険者が保険金額の全額を請求することを許し,その代り被保険者が保険の目的についてもつ権利を当然に保険者に移転することにした制度。ただし,1989年の貨物海上保険普通保険約款や 90年の船舶保険普通保険約款では旧約款の保険委付の規定を廃止している。

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世界大百科事典内の保険委付の言及

【委付】より

…商法はこのほか,委付できる場合およびその手続を定めているが(833~841条),船舶保険や貨物海上保険などの普通保険約款にも委付できる場合を例示している。委付は海上保険特有の制度であり,通常,保険委付と呼ばれている。なお,〈免責委付〉については〈船主〉の項目を参照されたい。…

【全損・分損】より

…これらは狭義の全損で一般的に絶対全損または現実全損とよばれるが,このほかにまだ現実に滅失してはいないがその発生が避けがたい場合や修繕費がかさんで経済的に全損とみなされる場合があり,これらは推定全損または解釈全損とよばれ広義の全損に含まれる。絶対全損・推定全損の区分は本来イギリスの海上保険の制度であるが,日本でも商法833条で海上保険における船舶の行方不明や修繕不能などの場合に保険委付という制度(委付)を設け,保険の目的について有するいっさいの権利を保険会社にゆだねて全損処理を請求することができる,としている。 絶対全損と推定全損のいずれの場合であっても,保険会社は被保険者(保険金を受け取る権利をもつ人)に保険金額の全額を支払うこととなり,その結果として保険の目的の残存物があれば保険会社はその残存物について被保険者が有している権利を取得する(商法661条)。…

※「保険委付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報